大和証券は多くの方々によく知られている証券会社なので、大和証券の口座を持っている人は多いと思います。
また、大和証券は単体の証券会社というわけではなく、他にも大和総研、大和プロパティなど様々な会社を抱えている大和証券グループ本社傘下の証券会社です。
このグループ本社傘下の証券会社である大和証券はいったいどんな会社なのか、その特徴やデメリットなどを見ていきましょう。
大和証券とは
大和証券は、大和証券グループ本社傘下の証券会社です。ちなみに、大和証券は日本の大手証券会社と言われる5社のうちの1社でもあります。(他は野村證券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券です)
そしてこの大和証券の企業理念は「信頼の構築・人材の重視・社会への貢献・健全な利益の確保」となっており、それを反映させるべくまず社員が働き甲斐のある会社にしようということで女性活躍支援・原則19時退社・家族の職場訪問などの取り組みを実施しておられる会社です。
特に証券会社はハードワークなので女性が働き続けるのは大変難しいのですが、そのイメージを覆すべく以上のような取り組みを実施することにしたそうです。
そして女性が第一線で生き生きと活躍出来て、また、社員全員が19時までには退社できるように仕事のスケジュールなどを調整すること、これをまず大事にしてこそ充実した顧客へのサービスができると考えてきた証券会社でもあります。
このことからも、社員がまず生き生きと働けるようにすることでそれを社会に還元し、しいては顧客への丁寧な対応につなげようということが伝わってきますね。それでは、実際にはどうなっているのか、大和証券の特徴を見ていきましょう。
大和証券の特徴
大和証券は、まさに「かゆいところに手が届く」サービスを行なっています。それが以下に述べる「ツインアカウント」です。
また、顧客が株取引をしやすいように、とにかく多くの情報を提供しようと考えてくださっているようですね。それが大和証券の特徴につながっています。
1:ツインアカウントでスムーズな資産管理ができる
この「ツインアカウント」というのは、大和証券の総合取引口座と大和ネクスト銀行(=大和証券グループ本社が全額出資している銀行)の普通預金口座を両方開設し、これらの口座を連携することで効率的に資産を管理することができるというサービスです。
これにより、例えばオンライントレード時に株や投資信託を買い付けたいと思ったらすぐに大和ネクスト銀行の口座から預金を大和証券の口座に振り替えることができ、しかも振替手数料が無料になるというメリットがあります。特にデイトレードを行なっている人には便利なサービスだと思いますね。
また、オンライン株式などを売却した場合もその代金は自動的に大和ネクスト銀行の口座へ預金されるので、そこからさらに金利が良い定期預金として預金することもできます。
このように、大和証券には資産管理がスムーズに、かつお得になるというツインアカウントというサービスがあることが1つの特徴となっています。
2:QUICK社提供による高機能新取引システム「トレボ」がある!
大和証券には、投資家が株取引をしやすいようにオンラインでも様々なサービスを設置しています。そしてなんと、1996年に日本で初めてオンライントレードを始めたのが大和証券なのです。
そのオンライントレードの先駆けともいえる大和証券のオンライントレードの中でも評判が高いのが「トレボ」というシステムです。
これは、QUICK社が提供した高機能新取引システムなのですが、実はQUICK社というのは日本経済新聞系列の情報関連企業であり、また日本を代表する金融情報ベンダーとも言われています。
そのQUICK社からの提供となると、様々な情報が入ることになり株取引の際には大いに参考になること間違いなしです。
そしてそのQUICK社が提供した高機能新取引システムを「トレボ」というのですが、この特徴は最大で2000銘柄まで登録できること、そして株価や気配などの変化を点滅表示でおしらせしてくれることです。
また、ソート機能で自分が見やすいように並び替えができたり気になる銘柄をドラッグ&ドロップで詳細表示することも可能という使いやすいシステムになっています。また更にトレーディングツール上に取引画面が表示されているのでスピーディな注文が可能となっています。
オンライントレードを主に行なう方々にとっては大変助かるシステムだとも言えるでしょう。
それでは、このように他の証券会社に引けを取らない特徴を持つ大和証券は、サービス面ではどのようなメリットがあるのでしょうか。次はそれを見ていきましょう。
大和証券のメリット
大和証券には多くのメリットがあります。ここでは、その中でも特徴的なメリットをいくつか挙げていきます。
1:ハッスルレートを使えば取引回数に関係なくずっと3240円!
大和証券には、ハッスルレートと呼ばれる一日定額手数料というものがあります。
まず、一日定額というのはその日の約定金額の合計額で手数料が決まるというものです。その一日定額手数料を大和証券ではハッスルレートという愛称で呼んでいるのですが、このハッスルレートの特徴として「何回取引しても1日の約定代金合計が300万円以下なら株式委託手数料は一律3,240円(税込み)」となっています。
ただし、1日の約定代金合計が300万円超える場合は300万円ごとに3240円が加算されていきます。1日の取引回数が多い方にはおすすめとなっています。
2:無期限信用取引で6か月を超えて返済した建株の返済手数料が割引に!
無期限信用取引(=一般信用取引)は、簡単に言えば建玉(信用取引で未決済となっている契約総数)の返済期限がない信用取引のことです。
つまり、信用取引というのは手持ちの現金以上の取引がしたい時に現金や株券を証券会社に担保に入れて証券会社からお金や株券を借りて売買するということなのですが、その時に金利を納めなければなりません。そのため、借金取引とも言われています。
そしてこの信用取引で返済する時に手数料がかかるのですが、その返済手数料が割引になります。
ただしこれは、建時にハッスルレートを選択していても6か月を超える建株に対する返済取引の時点でハッスルレートを選択していないと、手数料割引の対象にはならないので気を付ける必要があります。
3:IPOに当選しやすい!
株取引の1つに「IPO」というものがあります。
IPOとは、未上場株が新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることを言います。
これにより、企業にとっては株式を上場させることでその名を広め、資金調達をしやすくしたり、社会的な信用を上げたりするというメリットがあります。
また、投資家にとっては、「これから名が売れる企業の株を誰よりも早く買うことで、名前が売れてから株を売ると莫大な利益を得ることができる」というメリットもあります。
(ただし、せっかくIPO株を買ってもその株が売れない場合もあるのである意味ギャンブルでもありますが)
このIPO株で勝つためには、なるべく当選しやすいものを選びたいのですが、IPO株は誰でも申し込めば買えるというわけではなく、抽選に当たらないと購入できません。
それではどうやって抽選に当たる確率を上げるのかというと、「多くの証券会社に口座を開設し、そこからIPOに申し込むこと」があります。
ここでポイントになるのが「IPOの主幹事になりやすい証券会社に申し込む」ということなのです。
これは、売り出されるIPO株は取り扱っている証券会社ごとに割り当てられるのですが、その株数の80~90%が主幹事に割り当てられるためです。
この主幹事を務める会社は毎回変わってくるので、主幹事を担当する回数が多い証券会社を選んで申し込めば当選確率が上がるということになります。
大和証券はその主幹事を担当する回数が多いため、IPO株の抽選に当たりやすいことでもメリットがあります。
また、大和証券は完全抽選(機械による平等抽選)が原則となっており、また原則として個人のお客様への販売予定数量のうち15%の当選を決定しています。
そのため、大和証券の口座を持っていれば、大和証券が主幹事の時にIPO抽選に当選しやすくなるというメリットもあります。IPO当選を狙う方は確実に作っておいた方が良いでしょう。
4:日経テレコン21の利用料が無料!
日経テレコン21というのは、日本最大級の会員制ビジネスデータベースサービスで、全国都道府県の50紙が揃っています。また過去30年分の新聞・雑誌記事や国内外の企業データベースなどビジネス情報を幅広く網羅しているビジネスツールで、ここから得られる情報量が膨大なためこれがあれば新聞は必要ないという人もいるほどです。
そしてこの日経テレコン21で株式投資に関する情報を色々と調べることができるのですが、その反面、月額8,400円もかかります。
しかし、これが大和証券に口座を持っていればなんと、無料で見ることができるのです。これ目当てで大和証券に口座を持っている人もいるほどです。
ちなみに、月額4,000円払って日経新聞ウェブサイトを読んでいる人は日経テレコン21からでも見ることができるので切り替えた方がお得だと思います。
ここまでで、多くの大和証券ならではのメリットを見てきましたが、それではデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。それでは見ていきましょう。
大和証券のデメリット
大和証券は日本の中でも超がつく大手の証券会社なので、顧客へのサービスも分厚く様々な株式関連情報も惜しげなく提供してくれるため、デメリットは見当たらないような気がしていますが、実は少しデメリットがあるのです。
1:手数料が高い
大和証券は、先ほど述べたハッスルレートを使えば一日の約定代金の合計が300万円までであれば取引回数に関係なく手数料が3,240円なのですが、約定ごとの手数料は1約定あたり1,080円となっています。
これは他の証券会社と比べると高すぎると言われています。その他には目立ったデメリットは見当たりませんでした。
確かに超大手で情報もたくさん提供されている分、手数料を高くしないとサービスの質が下がるため手数料を高く設定しているのかもしれませんね。
それでは最後に、これまで書いてきた大和証券の口コミや評判はどんなものがあるのか見てみましょう。
大和証券の口コミ・評判
それでは、最初に良い口コミから挙げていきますね。
【良い口コミ】
- 細かいデータに至るまで情報量が多く、非常に勉強になる
- 日経テレコン21を無料で見ることができるから様々な情報分析が可能
- トレボが大変使いやすく、圧倒的な情報量がある
【悪い口コミ】
- 手数料が高すぎるのが残念
- ベテランでないと大和証券は使いこなせないかもしれない
このように、大和証券は情報量・サービスに対する評判は良いのですが、それに対して手数料についての評判はあまり良くないようですね。やはりネット証券は手数料が安い分、大和証券の手数料は割り高に感じるという人が多いのでしょう。
しかし、ネット証券の場合はあらゆるサービス(例えば対面やセミナーなど)を省いている分、手数料を安く設定することができるというメリットがある反面、情報量が少ないというデメリットもあります。
それを考えると、結局は似たり寄ったりなのかもしれませんね。特に大和証券は日経テレコン21が通常は月額8400円かかるところを口座開設すれば無料で見ることができるという大きなメリットがあるので、それを考えると手数料が高いのは妥当なのかもしれません。
まとめ
ここまでで、大和証券の特徴からメリット、デメリットまで多くのことを書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。
大和証券は、国内大手の証券会社であり、実は創業100年を超える歴史ある証券会社でもあるのです。また、その歴史の中で培ってきた膨大なデータが大和証券の強みとも言われています。そのため、そこから出る情報量は他の証券会社とだいぶ差があり、株取引をする方々にとってはとてもありがたい証券会社だと言えるでしょう。
また、ここでは書いていませんでしたが、実は株式ミニ投資取引や株価紹介サービス、単位株取引も大和証券が初めてなのです。
このように、まさに顧客のために次々と新しいサービスを打ち出してきた大和証券、これからも期待できる会社だと言えるでしょう。
それでは、今回はここまでです。ありがとうございました。