株式には一定の情報が無いと損しやすい銘柄と、安定的に株価が推移している銘柄とがあります。株式初心者は情報を収集する能力や、その情報を適確に解析する能力が、上級者やプロと比べてはどうしても劣ってしまう為、銘柄を選ばないと損しやすいという事が起こりえます。そこで、どの様な株式は初心者には向かないかについて解説していきます。
監理銘柄と整理銘柄
株式には監理銘柄と整理銘柄と呼ばれる銘柄があります。監理銘柄は証券取引所が、上場銘柄で上場廃止基準に該当する恐れのある場合に、その銘柄を一定期間、監理銘柄に指定して売買を行わせるというものです。
どうして監理銘柄という制度があるかというと、上場廃止になると株式は証券取引所で売買できなくなる為、その可能性を予め周知する事が目的とされています。
監理銘柄の時点では上場廃止は決まっていませんが、上場廃止が最終的に決まると整理銘柄に移されます。原則として整理銘柄に指定されてから一ヶ月後に上場廃止されます。
上場廃止となった場合でも日本証券業協会が開設しているグリーンシート市場で売買できる可能性もありますが、基本的に上場市場とは別のものですので、上場廃止された場合は自身で株式を売る相手を見つけるくらいの覚悟を持っておく必要があります。
監理銘柄に指定された時点で信用力は落ちてしまいますので、株価は急激に落ちてしまいます。株価を安く買い、通常銘柄に戻るのを待つか、上場廃止後の再上場を目指し利益を上げる手法もありますが、初心者は売買の流動性が低くなる事は避けた方が効果的です。
上場後の新規公開株
IPOと呼ばれる新規公開株式は、上場後に値を上げる事が多くあります。募集価格が市場の評価より低いと買い手が足りなくなるためです。そこで多数の人が応募し、抽選が行われ、株式が配分されます。上場直後には抽選でもれた人も多くいるので、株価は上昇します。
しかしその後は暴落する可能性もあります。高確率で上場後には株価が上がるため、当選した人には株価が上がったら直ぐに売却しようと思っている人が沢山いる為です。そのため上場後には株価は乱高下します。
公募に当選して株式を保有する事は、株式初心者にとって期待値は高くなりますが、上場後の新規公開株式の購入はリスクが大きいので注意が必要です。
人気な株
初心者にありがちなのが、人気な株式を購入する事です。他の人も購入しているから安心だろうという考えは大変危険です。人気になっているという事は、既に株価は上がりきっている可能性が高いという事を忘れてはいけません。
誰かに株価を勧められても、その人と自分とでは購入する金額は全く違います。まだ安いのであれば、勧める人は買い増しするはずです。いくら儲けたというのは過去の話だという事に注意する必要があります。
人為的に相場が作られている場合
株式には仕手筋(してすじ)という、人為的に作った相場で短期的に大きな利益を得る事を目的に、大量な資金で投機的売買を行っている者がいます。株価は上がっている時に買い、下がっている時には売るという王道的な手法があります。
企業の業績などに関係無くても、大量な資金を投入する事により株価は上昇し、その上昇を見て他の投資家も買い注文をし、さらに株価は上がっていきます。仕手筋は株価が上がったところで大量の売り注文をします。現物だけでなく空売りもする為、急激に株価は落ちる可能性が高く、仕手筋は大きな利益を得る事ができるというものです。
実際の業績に見合った株価では無いため、上昇中に株価を購入すると、暴落した後に購入した株価まで戻る事は少なくなります。仕手筋を利用する事で大きく儲ける事もできますが、株式初心者にはリスクが大きくなってしまいます。
良い情報があった訳でもなく、突如株価が上昇するような銘柄は仕手筋による可能性が高いため注意が必要です。