資産運用とは

資産運用で知っておきたい「リスク・リターン」の考え方

一般的にリスクというと、危険というイメージを思い描く方が多いと思います。リスクが高いと聞くと、危険な場面に遭遇する可能性や損をする可能性が高いとそう解釈するでしょう。

 

しかし投資の場合でいうリスクはそうではありません。投資の場合は一般的に値動きの大きさをリスクといいます。

 

イメージを掴んで頂くため極端な例を上げると、100円の証券が5年後には確実に120円以上になるとしても、その間10円にも200円にも売買する価格が変わる証券であれば、これはリスクの高い商品と言われます。

 

価格変動リスク・為替リスク・金利変動リスクなどは、値動きの幅を示すリスクです。そのほか信用リスクも考えなければなりませんが、信用リスクは値動幅のリスクと一般的に使われている破綻に遭遇する可能性のリスクと2つに分けられます。

 

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金融機関は教えてくれない隠された信用リスク

破綻に遭遇する可能性はその名の通りでイメージがつきやすいと思いますが、格付機関によりAAA(トリプルA)などで信用リスクを評価されています。その他に破綻時の値動幅によるリスクも考えるとリターンについての理解も深まります。

 

株式投資による信用リスクを考えると、会社は破綻すると株式が全くの紙切れになるわけではなく、債務弁済後に余った資産があれば株主に分配されます。某有名会社に強制捜査が入った時も連日ストップ安が続きましたが、ある一定の価格で株価はピタリと止まりました。

 

これはそれ以上株価が下がり破綻しても分配を受けることができ利益になると考えた人の買いが入った為です。つまり破綻=信用リスクではなく、価格が下がっていけば信用リスクも下がっていき、純資産=株価×発行済株式数となるところで信用リスクはほぼ0になります。つまり、破綻する可能性の高い会社というだけで信用リスクが高いという訳ではありません。

 

リターンの考え方

リターンについてはどのように考えればいいでしょうか。一番リスクが低いと考えられる預貯金と比べて考えてみましょう。

 

日本人は預貯金が大好きで、金融広報中央委員会のデータによると、2009年時点で預貯金と現金の資産全体に占める割合は56%です。同年のアメリカは16%なのでいかに大きいかが分かると思います。

 

この一番割合の大きい預貯金は流動性すぐれています。普通預金ならいつでも引き出せますし、定期預金も金利を気にしなければいつでも解約できます。固定させるのは流動性がなくなるというデメリットがあるため、普通預金よりも定期預金の金利は少しだけ高くなっています。

 

次に一般的な債券について考えてみます。発行体が破綻せず一定の期間が経てば予め決められた金額で発行体が買い戻(償還)してくれるというものです。期間内であっても相場価格で売買はできます。買いたい人と売りたい人の需要と供給で相場が形成される為、債券価格は常に変動します。

 

償還金は決まっている為、償還時期に近づくほど債券価格は収束し償還時の価格に近づいていきます。国内債券には価格変動リスクと信用リスクがありますが、償還金は決まっている為、値動きはあまり大きくありません。預金よりもリスクがある為、リターンを大きくしなければ債券を買ってくれず、リターンも大きくなります。

 

リターンがリスクよりも大きすぎる場合は、債券を買う人は増え、債券価格は上がり、リターンは小さくなります。つまり市場原理でリスクとリターンは調整されます

 

国内株式も同様に考えられます。価格変動リスクと信用リスクがありますが、償還というものは無いため、価格は収束されず大きく上下します。価格変動リスクが大きい為、債券よりもリターンも大きくなります。なお業績が上がれば配当も株価もあがり、株式も市場原理でリスクとリターンは調整されています。

 

何で儲けるのではなく、どうやって儲けるか

会社の業績をプロ以上に正しく早く分析できれば割安な株式を買うことができ、リスクに対しリターンを高める事はできますが、それは難しい事です。証券会社で割安な銘柄を紹介される事があるかもしれませんが、それは他の人にも公開されている情報です。

 

すでに市場原理により修正が少なからずかかっています。もちろん他の株式より期待値は高いかもしれませんが、それだけでは安定的に資産を増やす事はできません。リターンが大きいものはリスクも大きいという事を忘れずに、どうやって儲けるかを考えるのが重要です。

 

  • 自身の資産をいつ必要になる資産か色分けする(すぐに必要になる資産は預貯金.、決まった時期に必要になる資産は債券、使いみちの決まっていない資産は株式に投資するなど)
  • 1つの銘柄に投資せず複数の銘柄に投資しリスク分散する(株式に分けた資産でも、さらに複数の会社に分け株式を購入する)
  • 投資する時期を分散(1つの会社の株式でも一括で買わず、少しずつ買う)
  • 円安になった時の為に、外貨建ての商品も購入しリスク分散する

 

このようにリターンの高い商品を探してもリスクも高くなっている為、先ずはどうやって儲けるかを考える事が重要です。

 

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