株式投資をする上で、株式を買うタイミングは非常に重要です。配当に比べ株式の値動きは大きい為、株価の高い時に購入してしまうと配当で損失を補っても、元金まで戻るのに何十年も掛かってしまう事があるからです。
株式をいかに安い時に購入するかが重要になってきます。そこで株式の買うタイミングの考え方について解説していきます。
株を買う様々な手法
株を買う手法としては、バリュー株投資やグロース株投資・権利付き最終日での配当や株主優待狙い・ドルコスト平均法・アノマトリー・ペアトレードなど様々な手法があります。
どの手法で株式を購入するかによって買うタイミングは異なってきます。代表的な3つの手法の例をあげ説明させて頂きます。
バリュー株の買い時
バリュー株はPERとPBRが低く、ROEが高い銘柄を買うことによって割安な株式を購入する事ができます。PERは株価/一株あたりの利益、PBRは株価/一株あたりの純資産、ROEは1株あたりの利益/一株あたりの自己資本です。PERとPBRとROEの関係はROE×PER=PBRとなります。
このバランスが良い株式であれば、その名の通り割安となっておりますので、他の銘柄よりPERとPBRが低くROEが高い状態が買い時とも言えます。但し、他の投資家に注目されるまでは株価はあまり上がらないというデメリットがあります。
そこで、バリュー株を見つけたら、その銘柄が何か注目される発表をしないか監視し、発表がされ次第他の投資家よりも先に株式を購入すると資産を塩漬けにせず有効活用できます。
グロース株の買い時
グロース株投資は、将来性や成長が見込める企業の株式を購入するという手法です。将来性の見込める株式は、その要因が発生した時点で大きく株価は上昇し、その後も緩やかに上昇する傾向があります。
例えば第二次安倍政権が誕生しすぐに、アベノミクスは提唱されました。金融緩和政策を発表後には円安が大きく進み、その後は安定的に円安が進んでおります。それに伴い輸出企業の株価も為替相場の動きに連動して上昇してきました。
これは発表後には今後の円安の流れが決まり大きく円安が進み、しかし金融緩和が進むには時間が掛かるという面もある為、半年で1ドル120円などと急激には進まず、数年掛けて円安が進んでいるという事です。
つまり発表後には数ヶ月、数年後までの金融緩和や米国の金融引締を織り込んで相場は形成されるため、少しでも早くグロース株は購入した方が良いと言えます。何か問題が起こらなければ、このような場合は輸出企業は株価が上がっていく可能性は高いです。しかし、実情の価値より先を予想した価格が株価に織り込まれている為、問題があった場合には株価は大きく下がるというデメリットもあります。
権利付き最終日での配当狙い
権利付き最終日に株式を購入すると、翌営業日の権利落ち日に株式を売却しても、配当や株主優待を受ける事ができます。インカムゲインを狙うのであれば最短1日株式を持っていれば良いので権利付き最終日が買うタイミングだという事ができます。
しかし権利付き最終日には配当分の価格がある程度株価に織り込み済となっている場合が多く、権利落ち日には配当狙いの人が多ければ多いほど株価は下落してしまいます。配当が注目されている銘柄ほど下落幅は大きくなりますので、例年の傾向や今回の配当は注目されているかを分析し、権利付き最終日だけ株式を保有すると得かを判断する必要があります。
権利付き最終日だけ株式を保有する事のメリットがない場合は、権利付き日に近づくほど株価は上がる可能性が高くなっている為、何日前から株式を購入するのが良いかを考察していきます。もし配当よりも権利落ちした価格減少による損失が大きい場合は、権利付き最終日前に株式を購入し売却すれば利益を得られる期待値が高まります。