多数の株式がある中で、どうやって株式を選んだら良いかというのは、株式初心者にとっては非常に難しい事だと思います。そこで初心者にとっても分かりやすく、銘柄の選び方について解説していきます。
バリュー株投資とグロース株投資
株式投資をするにあたって、銘柄を選ぶ際の手法は主にバリュー株投資とグロース株投資に分けられます。チャートを見て相場を予想し短期的に売買する手法は投資ではなく投機にあたります。投機は投資と違い、付加価値が生み出されるものではなく、儲けた金額と同額の損失を出す人がいるセロサムゲームな為、投資とは区別されます。
バリュー株投資とグロース株投資を簡単に説明すると、バリュー株投資は企業業績と株価を比べた際に本来の業績よりも株価が割安で放置されている株式です。一方グロース株投資は、今後の成長や将来性が見込める銘柄に投資する手法を言います。
バリュー株の選び方
バリュー株を選ぶには企業業績から適正な株価を推測しなければなりません。そこで株価収益率・株価純資産倍率・自己資本利益率という3つの指標を元に推測していきます。
株価収益率はPERとも呼ばれ「PER=株価/一株あたりの利益」で算出されます。PERは小さければ小さいほど株価は割安だという事になります。PERが20の時で同じ利益が毎年続けば、約20年掛けて投資した資金を回収できるという事になります。
株価純資産倍率はPBRとも呼ばれ「PBR=株価/一株あたりの純資産」で算出されます。一株あたりの純資産は「一株あたりの純資産=純資産/発行済株式数」で算出する事ができます。
つまり1株あたりの純資産に対し株価が何倍になっているかがPBRという事になります。小さければ小さいほど1株あたりの純資産が大きいという事になります。1倍を下回れば、一株あたりの純資産より株価が安いという事であり、投資した株価以上の金額の資産を会社は持っていると言う事になりますので、割安だという事ができます。
自己資本利益率はROEとも呼ばれ「ROE=当期純利益/自己資本」で算出されます。この分子と分母を発行済株式数で割ると「ROE=1株あたりの利益/一株あたりの自己資本」ともなります。
会社が事業活動に活用している総資本は、株主が出資している自己資本と、借り入れ等による他人資本に分けられます。他人資本は利子が発生しますので、自己資本をどれだけ有効活用し、利益を上げているかがROEです。利益が分子ですので、ROEは大きければ大きいほど資金を有効活用できているという事になります。
ROEは1株あたりの利益/一株あたりの自己資本であり、PERは株価/一株あたりの利益ですので、ROE×PER=株価/一株あたりの自己資本となります。PBR=株価/一株あたりの純資産であり、一株あたりの自己資本と一株あたりの純資産は同じ意味ですので「ROE×PER=PBR」と表す事もできます。
PERとPBRは小さい方が良いですが、だからといってROEも小さい企業は資金を有効活用できていない可能性があります。PERとPBRをみて割安な株式を探し、その上でROEが高い銘柄を探す必要があります。
バリュー株を購入すれば、後にその銘柄が注目された際に適正な株価まで上昇する可能性が高いです。さらにそもそも割安な為、比較的株価が下がりにくいというメリットもあります。
グロース株の選び方
グロース株は、今後の成長や将来性が見込める銘柄に投資する手法です。個別の企業が急成長している事には、今後も利益を伸ばしていく可能性が高く、それにより株価も上がる可能性が高いと言えます。
また特定の分野の規制緩和などによりある産業が発展する可能性が高い場合や、日本が金融緩和を行い諸外国が金融引締を行っている場合には輸出産業の利益が上がる可能性が高いといえます。
そのような場合にはその業種全体の利益が上がる可能性も高い為、すぐに利益が得られなくても今後成長していく可能性が高いと考えられます。これがグロース株投資での銘柄の選び方です。