アベノミクスと言われて数年、本業片手間で投資をして少しでも儲けられたら良いな、そう思う人が今はとても多いですね。投資ブームが湧き起こっていて、今まで関心がなかった人も興味を持つようになりました。
でも、全ての人が投資に思う存分時間を割ける訳ではありません。投資を専門にやっている専業の人たちと違い、兼業の人は色々な制約を受けます。
サラリーマンは出社してから帰宅するまで時間も場所も拘束されます。そして投資は当然損することもあります。限られた時間と場所で、サラリーマンがいかに自分の望む売買をするか……手軽さと正確さを兼ね備えた、サラリーマンにもとても役立つ投資法を紹介したいと思います。
サラリーマンの制約は携帯端末と多彩な注文方法でカバー出来る
あなたは「この銘柄を買いたい!」と思っているはずです。もしくは、「この銘柄を決済したい!」と思っているはずです。
でも市場は9:00~11:30(前場)と12:30~15:00(後場)しか開いていません。当然仕事中ですよね?時間があったとしても、職場で使うパソコンは他の人も画面を見たりするし会社自体がアクセス制限をしているかもしれません。
アクセス制限をしていないとしても、パソコンで見たという閲覧履歴は残ります。こういったことが問題ないとしてもずっと画面を見続けることは出来ないですよね?
あなたが対面や外向けの営業職なら、そもそもパソコンは目の前になかったりします。
好きな時間に見れるわけでもなく、見続けることも出来ない。でも値動きが気になってしまう……こんな状況では会社でのあなたの立場が危なくなります。このような制約があっても、出来るだけそれらをカバーして自分の望むように売買をする、そのやり方は「携帯電話と注文方法」にあります!
携帯電話と多彩な注文方法
最近のネット証券会社なら、携帯(ガラケーやスマホ・タブレットなど)での取引も簡単に出来るようになっています。
携帯を使うというのは誰もが考えることでしょう。自分の携帯であれば使用料も接続料も会社負担ではありませんし履歴も会社が感知するわけではありません。
では「限られた時間で効率的に注文をする」にはどうすれば良いでしょう?これは「ネット証券ならではの豊富な注文方法」で解決出来ます。
指値注文
指値注文という注文方法では「価格がこの値段になったら注文して」という指示が出来ます。つまり、「この銘柄が何円になったら買う」という指示が出せるのですね。
この条件が成立しなかった場合は注文自体が取り消されます(補足ですが、この指値注文自体の有効期限も設定出来ます。この場合はその有効期限が過ぎると取り消されることになります)。
その値段に達するかどうかは証券会社のシステムが見てくれるので注文を出した後は値動きを気にしなくて済みます。達しなかった場合は注文自体がなかったことになるので精神的にも楽ですね。
成行注文
この値段という条件を特に持たず、「今の値段で良いから注文して」という成行注文というものもあります。これは、その注文を出した時の値段で注文されます(値動きが激しい時はタイムラグがあるので若干注文した値段が変わります)。
経済状況全体に影響を及ぼすような事件・事故、ニュース、その銘柄にとって株価が影響するような事件・事故、ニュースといった場合、こういった注文も有利です。
保有銘柄を売却したい時はどうでしょうか?この時も便利な注文方法があります。
逆指値注文
逆指値注文は、主に損失を限定したい場合に使われます。逆指値注文とありますが、何が逆なのでしょうか?
売却する時は「安く買って高く売る」が基本ですから、普通の指値注文だと「ある価格以上になったら売却」となりますよね?
例えば1000円で株を買ったとします。
「1100円で売るぞ!」と思っていたとします。当然、普通の指値注文なら「1100円以上で売却」という注文になりますよね?
では含み損状態だった場合はどうでしょうか?
普通の指値注文で「1100円になったら売る」という注文をしていても、この注文は文字通り1100円以上になるまで執行されません(有効期限が切れれば注文自体取り消されます)。今、この保有株が950円まで下落して、900円で損切りたいと考えているとします。
950円の時に「900円以上で売却」と指値注文をしても、既に950円が900円以上という条件を満たしているのですぐに執行されます。つまり900円で損切りたいという狙いは実現出来ません。
すぐにでも損切りしたいのならこれでも良いですが、まだ上昇する可能性があり900円まで下落するまでは保有しておきたいという場合には無意味ですよね?(すぐにでも損切りしたいなら成行注文で間に合います)
この時、「ある価格以下になったら売却」という条件だったらどうでしょう?「900円以下になったら売却」とすれば、900円以下になるまでは保有し続けてくれるし、900円以下になったらきちんと損切りが出来ます。
このように、普通の指値注文とは逆の意味合いを持つのでこういった注文方法を「逆指値注文」と呼びます。損失を限定したい時にとても有効な注文方法ですよね!
W指値注文
W指値注文は指値注文と逆指値注文をあわせたとても便利な注文方法です。
1000円で買った株を、「1100円以上で売却」という指値注文と「900円以下で売却」という逆指値注文を同時に出すことが出来ます。どちらかの条件が達成すれば他の条件は取り消されます。
値段を決めて買う時は指値注文を出します。今の値段で買おうという時は成行注文を出します。
成行注文はその場ですぐに執行されますが、指値注文は有効期限内に条件が成立するまで執行されないのでチャートを見張っていなくても安心です。
注文が執行された後は、とにかく損失は限定したいという時は逆指値注文を出して様子を伺う、損失限定だけでなく利益もあらかじめ決めておきたい場合はW指値注文を出しておくというやり方で、刻一刻と変化する値動きをたえず見ておかないといけないという状況から逃れることが出来ます。
カブコールを活用する
- カブコール……多彩な注文方法を活用する上でのカブドットコム証券の無料&便利なサービス
このように、多彩な注文方法を利用することで限られた時間と場所でも出来るだけ思い通りの注文を出すことが可能となります。
でも含み益であろうと含み損であろうと、「今の値段はもっと上がるかもしれない」「今の値段はもっと下がるかもしれない」と思うことも当然ありますよね?
価格の上昇や下降は、その時々の状況(トレンド・事件・事故・ニュース)によって意味が変わって来ます。
指値にしても逆指値にしても、いくら値段を指定しているといっても自分が節目だと思う価格はチェックしたい、でも値動きを見続けることは出来ない……そんな時に役立つのがカブコールです!
指定銘柄が「何円以上」・「何円以下」・「始値より±何円以上」・「始値より±何円以下」という条件を指定しておき、その条件が成立すると指定した電話番号やメールアドレスにリアルタイムで連絡してくれます(完全を保証するわけではありませんが、障害等がない限りは大体正確です)。
損切りにしろ利益確定にしろ、保有した銘柄に対する注文は条件が達成されるまではいつでも取り消せます。逆指値をW指値にしたり、W指値を逆指値にしたり出来るのです(同一注文の条件変更は、注文自体を取り消さずに変更出来ます)。
カブコールを併用しながら、知りたい価格をメールや電話でキャッチしてその時々の状況に応じて注文を見直すことも可能なのです(損切りが出来ないままだといつまでも塩漬けになって結果的に多くの損失を出すことがありますから、注文を変える時は損切りの時だけは出来るだけ感情に流されない姿勢をお勧めします)。
まとめ
多彩な注文方法を利用することによって色々な制約から解放されます。最近はスマホも普及し、スマホならではの取引アプリは高性能です。
チャートを表示出来たり、そのチャートにテクニカルを表示することも可能です。いわゆるガラケーでも簡単なチャート表示なら出来ますし注文自体は可能です。
証券会社によって注文方法の呼び方に違いがありますが(例えばW指値は「ツイン指値」や「逆指値付通常注文」と証券会社によって違います)こういった便利ゆえに良く使われる注文方法は大体どこも利用出来ます。
カブコールはカブドットコム証券のサービスですが、別に証券会社はひとつしか契約してはいけないということはありません。売買する証券会社とは別にカブドットコム証券と契約してカブコールを利用することは出来るのですね。
カブドットコム証券では「Uターン注文」といって「買い注文を出す時に、その買い注文が約定した後の売却の注文も買い注文と一緒に出しておく」ということも出来るんです。
条件を指定して買い注文を出し、条件を指定して売却をする……こうすることで値動きをずっと見続けることが出来ないサラリーマンにも自由で効率的でストレスのあまりない売買が出来ます。
カブコールを利用したりして自分がチェックしたい価格を監視してもらう。
こういった基本をおさえ、売買を繰り返しながらもっともっと多彩な注文方法を覚えていけば、もっと効率的な売買が可能となります。色々な制約があるサラリーマンでも、可能な限り自由で効率的な売買が出来るようにするための方法を紹介させて頂きました。
この記事があなたの投資にとって有益であり、今後の投資生活に弾みがつくことを願ってやみません。