株式投資をするにあたって株主優待を活用する事により、投資での利益を大いに高める事ができます。株主優待の仕組みを解説させて頂き、その魅力と有効活用する方法を紹介させて頂きます。
株主優待は投資家にも企業にもお得
株主優待は株主に必ずしなければならない訳ではなく、法的義務はありません。しかし日本の上場企業では株主優待制度を行っている企業が多くあります。株主優待は株式を一定数以上保有している株主に付与する優待制度の事です。
例えばディズニーリゾートを経営している株式会社オリエンタルランドでは3月末と9月末に400株を保有していると、それぞれ東京ディズニーランドか東京ディズニシーで利用可能な1デーパスポートが1枚配布されています。
それ以降400株毎に1枚ずつ優待券は増え、最大2400株以上で6枚の優待券を受け取る事ができます。9月末は対象外ですが、3月末に100株を保有している場合は、400株に至らなくても優待券が1枚受け取る事ができます。これは2016年1月10日時点での情報です。企業の方針の変更や株式分割により株主優待の内容は変更される事があります。
この様に、株主優待は配当とは違い金銭ではありませんが、現金に換算すると非常に大きなインカムゲインになるものも多数あります。オリエンタルランドの株主優待であれば100株で6900円相当の優待券を受け取る事も可能です。仮に1株7000円だとすると、100株70万円で6900円相当の利益ですので、年率換算すると約1%もの利益になります。
どうして法的義務もない株主優待を企業はするかというと、企業にもメリットがあるからです。株主優待をする事により、株を買おうと思う人は増え株価は上がりますし、直接金銭を交付するより、節税効果もあります。
さらには上記のオリエンタルランドの例で言えば、ディズニーランドを利用しても自社の施設ですので6900円の損失となる訳ではありません。普段ディズニーランドに来ない人であれば損失は0円ですし、パーク内で食事や買い物をしてくれれば、それだけでも利益を上げる事ができます。
もし、株主優待券があっても無くても年に決まった回数訪れる人であれば、本来得られた6900円の売上を得られなかった事になりますが、それでも損失を出す事にはなりません。
どの様な企業でも1万円の配当を出すよりは、1万円の自社製品・サービスの割引券を配布する方がお得であり、その製品・サービスを普段から購入している投資家からすれば1万円の配当でも優待券でもあまり変わらないという、投資家にも企業にもお得な制度なのです。
株主優待をお得に受け取る方法
株主優待は個人投資家向けの制度であり、さらに言えば大金持ちよりも少額投資家向けの制度であります。株数と時期に分けて、お得に受け取る方法を解説していきます。
まず株数については、一定数以上の株式を持っていても無駄になってしまうという企業が多いです。オリエンタルランドの例で言えば、2400株で6枚の優待券が貰えますが、1万株持っていても10万株持っていても、同じ6枚の優待券しか受け取れません。
配当であれば株数に応じて比例配分されますが、株主優待券はお得になる枚数が決まっています。3月末に至っては100株保有していても700株保有していても1枚の優待券ですので、その差は非常に大きいです。
時期について株主優待は金利とは違い、持っていた期間に応じて配布される訳ではないという事に注意が必要です。オリエンタルランドの例で言えば、3月末に株式を保有していた人が対象となりますので、株式振替に4営業日掛かる事から、31日(木曜)の3営業日前である28日(月曜)の1日株式を保有しているだけで、29日に株式を売却しても株主優待を受ける事ができます。
つまり1日だけ株式を保有しているだけで株主優待を受ける事ができるのです。