このサイトでは、以下の4つの証券会社を紹介して来ました。
好き嫌い・合う合わないは人それぞれですが、ここではトレードにとって必要不可欠である注文方法を紹介し、主観ではありますが私なりの考えを書いていきたいと思います。
※ ここにある情報は2015年12月時点のものです。
全ての売買は注文から始まります。注文しなければ利益を得ることも損切りすることも出来ません。
注文方法が多彩なのは、それが時間や場所に拘束されても出来るだけ効率的に、損小利大な投資をするためにあるからです。最初は複雑に思えても、このような存在理由を知れば理解することが出来ると思いますし、全てを利用しなくてはいけないわけでもないのです。自分に合う注文方法を使い続けても良いのです。
でもその注文方法が自分が取引する証券会社で対応していないと話になりませんよね?この辺はどうなっているのでしょうか?
それでは、いってみましょう!
注文方法の種類
指値
「この値段以上になったら」という条件です。
1000円で購入した銘柄に対して、「1100円以上になったら売却して」という時などに使います。
逆指値
「この値段以下になったら」という条件です。
1000円で購入した銘柄に対して、「900円以下になったら売却して」という時などに使います。損切りで使う時が多いです。『時間のないサラリーマンでも出来る!手軽さと正確さを兼ね備えた株式投資法』で解説しています。
W指値
指値の「この値段以上になったら」と逆指値の「この値段以下になったら」という条件を組み合わせたものです。
1000円で購入した銘柄に対して、「1100円以上になったら売却して」という注文と「900円以下になったら売却して」という注文を一度に出し、条件のどちらかが成就すれば片方の注文は消えます(なかったことになります)。利益確定と損切りを同時に注文しておきたい時などに使います。『時間のないサラリーマンでも出来る!手軽さと正確さを兼ね備えた株式投資法』で解説しています。
±指値
(当日の)始値や前日終値、現在値などを基準に±いくらになったら発注する、といった注文方法です。
1000円で購入した銘柄に対して、「この銘柄の明日の始値から+100円で売却する」・「始値から-100円下がったら売却する」という具合です。利益確定・損切りで使います。将来達するであろう具体的な価格を注文内容とするのではなく、既に確定した価格を基準として注文します。
仕事中のサラリーマンなど「リアルタイムで株価を確認出来ない状況でも利益確定、損切りを自動的に行うことが出来る」とはよく言われますが、そもそも+100円としてもその値段にならなければ注文は執行されません。
カブドットコム証券の「カブコール」なら自分が指定した具体的な価格やこのような基準で指定した価格に対して「その値段に達したら連絡して」と頼め、それを何十件も指定出来るのでこのような意味でもカブコールは使えるようにした方が良いです(『時間のないサラリーマンでも出来る!手軽さと正確さを兼ね備えた株式投資法』や『カブドットコム証券の特徴と5つのおすすめポイント』で解説しています)。
連続注文
前もって2つ以上の注文を予約しておき、はじめの注文が約定したら、次の注文を執行するという注文方法です。リレー注文とも言います。
W指値は片方が執行されればもう片方は注文がなかったことになり、この連続注文は片方の注文が執行されたことを条件として他の注文が執行されるというものです。
銘柄Aを1000円で購入するという注文を出し、それが約定したら銘柄Bを1500円で売るという注文です。
新しい銘柄を買えばそれだけ自分の資金が(売却するまでは)減ります。そこで、買ったなら他の保有銘柄を売って自己資産を増やしておくという対応がこの注文で可能となります。
反対売買注文
発注した注文が約定した時に即座に反対売買(買った場合は売り注文、売った場合は買い注文)をする注文方法です。
リバース注文・Uターン注文とも言います。
1000円で買うことが出来たらすぐに1100円で売るといった注文方法が可能になります。1100円になった時に売り注文は執行されますが、これを購入時に一緒にやっておくのです。
不出来引け成行
指値注文をしておいて取引時間中(これを「ザラ場」と言います)にそれが約定しない場合、大引けで成行注文に切り替わる注文方法です。
不成・指成とも言います。不出来、つまり出来なかった、と覚えておきましょう。
1000円で購入した銘柄に対して、1100円で売却しようと指値注文を出している時に、それが約定しない時、引けの値段で売却される成行注文に切り替わります。
先頭指値
注文時に「この価格」と価格を指定せずにその時の気配値から同気配側に1値段優先する値段での指値注文です。
株価は売買によって値段が決まりますから、「この値段での買い手」と「この値段での売り手」同士が拮抗して価格形成されていきます。1000円の売り手が100人いたとして、その100人の売り手が全て売りさばけた(つまり買い手が100人いた)場合に価格は1000円を超えます。
この、「価格帯毎の売り手と買い手の情報(数)」を表現しているのが「板」です。
今の値段で注文を出したい時、その値段をキーボードなりタップで打ち込んでいる間に値段が変わってしまえば思い通りの値段を注文出来ません。
そこで、「今の気配値より同側気配(買い注文であれば「買い気配」、売り注文であれば「売り気配」)に1値段優先する形で指値注文にして」と注文するのです。気配の先頭に入るように指値が入ります。
今、購入しようとしている銘柄の現在値と「買い気配」が1000円で、この銘柄は1円刻みで価格形成されているとします。この場合、買う時は「買い気配」の1値段優先する形で指値注文するわけなので、「1001円」での指値買い注文となります。
もし、現在値が1000円でも「買い気配値」が999円であれば「1000円」での指値買い注文になります。
優先指値
注文時に「この価格」と価格を指定せずにその時の気配値から現在値に1値段優先する値段での指値注文です。
さきほどの先頭指値の例で言えば、1000円の銘柄を買いで優先指値した場合は、1001円での指値の買い注文となります。
現在値より1値段高い価格で指値買いしたい場合などに利用します。
現在値指値
注文時に「この価格」と価格を指定せずにその時の現在値を指値の値段とする注文方法です。
さきほどの先頭指値の例で言えば、1000円で現在値指値した場合は、1000円での指値の買い注文となります。
「え?成行じゃないの?」と思われるかも知れませんが、値動きが激しい時や板が薄い時はすぐに値段が変わります。
値動きが激しい時は勿論、例えば1000円の売り板が薄い時(売り手が少ない時)はすぐにその売りは売りさばかれてより高い値段になります。1000円で現在値指値を出した後に1001円になっているかも知れないし999円になっているかも知れません。
成行は注文を出した時の値段で執行されます。ですが現在値指値は1001円になっても「1000円以下になるまで執行されない」のです。
証券会社での対応
|
指値 |
逆指値 |
W指値 |
±指値 |
連続注文 |
反対売買注文 |
不出来引け成行 |
先頭指値 |
優先指値 |
現在値指値 |
○ |
○ |
○ |
× |
× |
× |
○ |
× |
× |
× |
|
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
○ |
○ |
○ |
× |
× |
× |
○ |
× |
× |
× |
|
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
× |
× |
絶対におさえておきたいのは、
- 指値
- 逆指値
- W指値
- 反対売買注文
- 不出来引け成行
です。
実際に注文方法を比較してみましょう
冒頭で「全ては注文から始まる」と書きましたが、「今(ある板)の値段で」という成行注文はどこでも出来ます。「板の状況」という言い値で売買するようなものです。
指値は値段を指定します。
十分安いなと思えたら成行で買っても良いでしょうし大きな利益や大きな損失の時も成行で売却して良いでしょう(あなたが精神的に追い詰められないためにも、深追いは禁物です)。
でも、本来予め決めた損切りラインはきちんと値段を指定すべきであり、それは損失を限定してくれます。
『時間のないサラリーマンでも出来る!手軽さと正確さを兼ね備えた株式投資法』で書いたように、サラリーマンはチャートを随時見られるわけでもなく、指値は必要です。
その意味で指値・逆指値はその基本であり、利益確定と損切りを兼ねたW指値、初回注文時に反対売買も注文出来る反対売買注文で早めに注文を出すことも値動きに惑わされず機械的に(利益確定と)損切りをするという意味で大事(反対売買の注文として、最初に指値注文を出し、反対売買の注文内容としてW指値を注文することが出来ます)、忙しい時や狙いたい価格に達しそうにない時に安心材料として売却注文を出せる不出来引け成行もとても有効なのです。
±指値はあまり必要とは思えません。
基準にしたところで、その値段に達しなければ結局は価格を指定した指値と変わりありませんし、寄付価格は海外市場や企業業績を反映するとはいっても、カブコールを使えば済みます。現在値を基準にするのなら、普通の指値注文とはあまり変わりありません。
連続注文は取引回数が頻繁ならまだしも、そうでないなら必須とは思えません。
先頭指値、優先指値、現在値指値にいたっては、瞬間瞬間の値動きを見逃さずに(スキャルピングなどの)売買をする専業トレーダーでない限り必須とは思えません。
おさえておきたい注文方法で見ると、SBI証券と楽天証券では反対売買注文が出来ないことを除いては、それ以外の注文方法は全て出来ます。
確かに反対売買は最初の注文が執行された時に「後で」注文出来ますが、この場合は「最初の注文が執行されない限り」反対売買は注文出来ないのです。
注文を入れるということは、待ち行列で言えば「最後に並ぶ」ということなのです。1000円で購入し、1100円で売却したい時、1100円の売り板に100人が注文を入れていたとすると、あなたの注文は101人目になるのです。
反対注文売買も、実際に反対売買として並ぶのは最初の注文が約定した時です。1000円で買ってないのに1100円で売りに入るのはおかしいでしょう?
ですが、最初の注文が約定するかどうか分からない内に「もし約定した時の場合」を考えて予め反対売買の注文を入れておくことは「忙しいサラリーマン」にとっては本当に有難いことなのです。
まとめ
注文方法で見れば、反対売買を最初の注文が約定した後で入れるという手間が掛かるSBI証券と楽天証券を除いては、おさえるべき注文方法は網羅されています。
あなたがこの手間を文字通り手間と思うなら、SBI証券と楽天証券は消えますね。
手間でないとしても、『おすすめネット証券会社比較 ~ 手数料とツールを見てみよう!』で紹介した手数料から見れば楽天証券が消え、『おすすめネット証券会社比較 ~ 手数料とツールを見てみよう!』で紹介したシステムの安定性から見ればSBI証券が消えます。
残るは(手数料の安い)カブドットコム証券になります。
あなたなら、実際の売買をする証券会社として、どの証券会社を選択しますか?どれを選ばれるかはあなたの自由です。でも私なら、カブドットコム証券にします。