どのような投資にもメリットがあればデメリットもあります。例えば安定的な商品であれば人気が高くなるためインカムゲインを高くする必要はありません。債券投資と比べ、株式投資のメリットとデメリットを解説していきます。
株式投資のリスクとリターン
国内株式投資には価格変動リスク・信用リスク・流動性リスク・金利変動リスクの他にも様々なリスクがあります。債券や外貨預金・投資型保険商品と比べ株式は大きなリスクがあります。リスクが大きい分、リターンも大きくなっています。直接の為替変動リスクは国内株式にはありませんが、円安になれば輸出企業の株価は上昇するなど間接的な影響も受けます。
リスクが高いという事はデメリットでもありますが、高いリターンを狙う事ができるというメリットもあります。それぞれのリスクを理解した上で投資商品を組み合わせる事で、メリットを高める事ができます。
価格変動リスク
価格変動リスクとは投資対象の価格の値動き幅の事を言います。株式でいうと株価の変動幅の事です。リスクと言っても、価格が下がる事があれば価格が上がる事もある為、リスク=リターンです。債券にも価格変動リスクはありますが満期時には額面価格に収束する為、株式の上限の無い価格変動リスクの方が大きい事は明白です。
価格変動リスクが大きい事はデメリットに感じますが、投資手法によっては大きなメリットになります。価格が大きく上下するという事は値上がり益を狙うチャンスが増えるという事です。
例えば1株2000円で購入した株式が2500円と1500円の幅で上下している株式と、1株2000円で購入した株式が3000円と1000円の幅で上下しているであれば、後者の方が大きな利益を狙えます。下落した時は1000円と大きく損失を出してしまう瞬間もありますが、2000円まで戻るスピートは前者も後者も同じだからです。
キャピタルゲインを狙うのであれば価格変動リスクは大きい方がメリットはあります。また、長期保有が可能な資金での投資であれば価格変動リスクが少ない債券よりも株式投資のメリットは高まります。
金利変動リスク
あまり意識されている人は少ないと思いますが、金利の変動も株価に影響を与えます。金利が上がれば、株式市場から預貯金や債券市場に資金は流れ、金利が下がれば、株式市場に預貯金や債券市場から資金が流れる為です。つまり金利が上がれば株価は下がり、金利が下がれば株価は上がる傾向にあります。
債券も株式と同様に、金利が上がれば発行済みの債券価格は下がり、金利が下がれば発行済みの債券価格は上がります。
しかし株式との違いは、債券には期限があるという事です。金利が下がり発行済みの債券価格が上昇しても、満期までの期間は決まっています。金利が下がり続けている局面では、既に持っている債券は良いとしても、満期後の資産で新たに運用する際には金利が下がりすぎていてメリットが小さくなってしまいます。
株式であれば満期という期限はない為、金利が下がり続けている局面であればメリットがあります。逆に金利が上がり続けている局面では、株価を下げる力が働き続けますのでデメリットになります。発行済みの債券では無く、新たに買う投資商品で考えると、金利が上がり続けている局面では債券の方がメリットがあります。
株式投資のメリット
- 長期保有できる資金であれば、大きなキャピタルゲインも狙える
- 金利が下がり続けている局面では、新たに債券を購入するより株式を購入した方が有利
- 上場株式であれば債券よりも流動性リスクが低い
- 直接の為替変動リスクは受けない
- 企業の利益を配当する為、金利変動の影響を受けないインカムゲインを得られる。(金利の下落は企業の金利負担減少にも繋がり企業の利益は上がりやすい)
株式投資のデメリット
- 長期保有できない資金であれば、価格変動リスクが大きく、大きな損失を出す事もある
- 金利が上がり続けている局面では、株価を下げる力が働き続ける
- 上場廃止により流動性リスクが高まる事もある
- 直接の為替変動リスクは受けず、円安による資産価値の低下を受ける事もある
- 企業の業績が悪ければ、無配当になる事もある