個人投資家が株式投資をする理由の殆どは利益を得るためだと考えられます。
企業であれば議決権を取得する事により自社との取引を有利するなど間接的な利益もありますが、個人投資家の直接的な利益としては、キャピタルゲイン・インカムゲイン・株主優待の3つに大別できます。
それぞれについて、投資先の企業利益と投資家の利益について解説していきます。
株式投資で利益を得る3つの方法
1.キャピタルゲインとは?
株式投資でいうキャピタルゲインとは、株式の価格上昇による利益の事を言います。例えば1株1000円で購入した株式の価格が上昇し、1株1200円で売却できれば200円がキャピタルゲインです。また株式を空売りして値下がり後に買い戻し利益を得た場合もキャピタルゲインです。
株式は市場で自由に売買されています。売り手と買い手が同意した値段で売買されている為、株式を発行している企業は売買が行われても損も得もする事はありません。企業は新株発行時に資本金を得られるというメリットがありますが、株式の売買に関しては投資家同士のゼロサムゲームで、得する金額と同額の損をする人がいます。
2.インカムゲインとは?
株式投資でいうインカムゲインとは、株式を保有する事による収益であり、配当の事を言います。例えば10万円の株式を保有しており年間配当利回りが2%であれば、2000円の配当金がインカムゲインです。
配当金は企業が内部留保の資金を差引いた後に残っている利益を、株式数に応じて投資家に還元するものです。企業活動によって生じた利益を配当金としますので、キャピタルゲインとは違い、非ゼロサムゲームであり、新たな価値が創造されています。
内部留保を多くした方が資産は多く残るため今後の企業活動に有利ですが、株主は一口オーナーであるため配当を払うのは必然であり、会社は損をしたという事にはなりません。
3.株主優待とは?
株式投資にはキャピタルゲインとインカムゲインの他に、株主優待というものがあります。インカムゲインに近いもので、一定数の株式を利益確定日に保有している株主に与えられる特典の事を言います。例えば1000株以上保有している株主には、自社の製品を買った場合に使える1万円の割引券を交付したりする事が株主優待です。
インカムゲインとは違い、予め株主優待について約束していれば利益に関係無く株主優待券等は交付する必要があります。百貨店の会社が10%割引の株主優待券を株主に交付している場合は、その優待券を使われると企業は割引分損する事になります。
どうして株主優待券を交付しているかという一番の理由は、株主に自社をアピールする為です。株主優待券で1万円の割引があっても、1万円の配当をするのとは違い、商品を購入してもらえれば自社の利益になっています。
この場合、損失を抑えるか少しの利益を残したままで、株主にとっては1万円相当の利益がある事になります。つまり企業の損失を抑えつつ株主の利益を高める事ができるのです。
自社をアピールする為と言ったのはもう1つ理由があります。配当は株式数に応じて配当金が支払われますが、株主優待は比例配分ではない事です。例えば1000株以上で株主優待券が1枚、3000株以上で株主優待券が2枚という事があります。この場合10万株持っていても株主優待券は2枚しか貰えません。つまり株主優待は大株主より一定の株式数を保有している株主に優しい制度だと言えます。
まとめ
株式投資でもキャピタルゲイン・インカムゲイン・株主優待とでは全く別の性質を持っています。それぞれの性質を理解する事で、いつ売買するかなどの計画を立てる事にも役立ちますので、株式投資での成功に活かして頂ければ幸いです。