株式会社には上場企業と非上場企業に分類でき、譲渡制限の有る株式や譲渡制限の無い株式等にも分類できます。それぞれの分類毎に株式の購入方法が違いますので、一つ一つ特徴や購入方法を解説していきます。
上場企業とは?
上場企業とは証券取引所に上場されている企業をいいます。上場された株式は証券取引所で公開され取引できるようになり、一般投資家は証券会社を通じて株式を購入できるようになります。株価が日々変動しているのは、証券取引所に寄せられた買い注文と売り注文を相殺させ約定し、直近の約定値を株価としている為です。
ニュースでよく耳にするTOPIX(トピックス)は東証(東京証券取引所)1部の株価を加重平均した指数であり、1部の中でも主要企業225銘柄の株価を加重平均した指数が日経平均です。東証の中でも2部やマザーズという市場もありますが、これらに上場している企業の株式は証券会社を通じて購入する事ができます。
非上場企業とは?
非上場企業とは証券取引所に上場されていない企業をいいます。非上場企業には上場する必要の無い会社と、上場を目指しているが上場基準に満たない会社とがあります。
上場する必要の無い例として、三菱東京UFJ銀行があります。誰もが知っているであろう日本3メガバンクの1つであり、平成27年3月末で資本金は1兆7000億円以上の巨大な株式会社ですが、この会社は非上場株式会社です。株主はMUFG(株式会社三菱UFJフィナンシャルグループ)で100%の株式を保有しています。
MUFGは三菱東京UFJ銀行の株式を売るつもりはありませんので、証券取引所に上場させ広く投資家に株式を売却していないという事です。
上場を目指しているが上場基準に満たない会社では、非上場企業の株式を売りたいと思っている人もいるかもしれません。しかし上場していない会社は証券取引所で株式を売買する事はできません。
この場合には売りたいと思っている人は、買いたい人を見つけて、当事者間で値段を決め売買する事になります。グリーンシートという制度に登録された株式であれば証券会社でも売買を仲介している事もあります。クラウドファンディングによる資金調達の合法化があり、2017年3月末にはグリーンシートは廃止予定で、今後は新たな市場ができる予定です。
上場するには株主数や時価総額・事業継続年数など厳しい要件があります。上場する事を新規株式公開といいますが、株式公開後には株価が上昇する事が統計的には多いです。そこで、非上場企業の株式を購入する事も儲けるための手段の一つですが、上場されない場合には流動性が低いので注意が必要です。
譲渡制限株式とは?
譲渡制限株式とは、他の株主の承認を得なければ売買する事ができない制約を受けた株式です。これは、経営に参加してほしくない人が株主になる事を防ぐため、予め定款(会社内部のルール)で定める事により譲渡制限株式とする事ができます。
一部だけを譲渡制限株式にする事もできます。しかし取引所は広く多数の人が参加する流通市場ですので、上場企業の株式には譲渡制限株式を設ける事はできません。譲渡制限株式は他の好ましく無い人への譲渡を防ぐ為の制度ですので、承認されなかった場合は一定の要件の下に会社が株式を購入する事になります。
逆を言えば、譲渡制限の有る株式を購入する為には、その企業から信頼をおかれている必要があります。
まとめ
この様に上場企業の株式は誰でも証券会社を通じて購入する事ができますが、非上場企業の株式は譲渡制限があったり、グリーンシート銘柄以外は自身で売り主を見つける必要がある等、簡単に購入できる訳ではありません。
簡単に売買できない株式を購入し急遽資金が必要になった場合には、すぐに売却できないか非常に低価格で売却する事になる恐れがある為注意が必要です。