マネックス証券も老舗ですね。マネックス証券代表取締役会長CEOの松本大氏がゴールドマンサックス出身ということは結構知られています。
そんな彼が立ち上げたマネックス証券……ツールが優れていて使いやすいという話も方々で聞きます。ツールのどこが優れているのか、それ以外にメリットはあるか、そしてデメリットは何か、この記事ではこんなことを書いていこうと思います。
ツールに独自のテクニカル指標を導入出来る!
株式投資を学び始めると、テクニカル指標というのを必ず目にすることになります。テクニカル指標とは、簡単に言えば、過去の値動きに対して統計学的に法則性を見出そうというものです。「この状態だとやがて価格はこうなる」という法則みたいなものですね。
「この状態」というものをどのような視点・尺度で見るかでテクニカル指標というのは多くの種類に分けられます。
ひょっとしたらその過程で、あるいはあなたが勉強熱心なら、「待てよ?!こういう時ってこうなる傾向が強いな!」とひらめく時があるかも知れません。それはひとつまたはそれ以上の指標の組み合わせだったり、その組み合わせに独自のものを追加したり、はたまた視点そのものが完全にオリジナルなものだけということもあるでしょう。
その法則にそれなりの信ぴょう性があるのなら、逐一値動きを見てそれを確認するなんてことはしたくないものです。人間はミスをおかしやすいですから、疲れを知らず愚直なまでに単純作業を嫌とも言わずずっとやってくれるパソコンに任せた方が賢明ですよね?またサラリーマンだとそもそもそんな時間はありません。
では、その「パソコンに任せる」ということを実現するにはどうすれば良いでしょうか?
自分でExcelに計算させますか?既にあるテクニカル指標を組み合わせるのなら、計算処理でExcelはパンクします。そもそもExcelではリアルタイムの値動きを追い掛けるのが難しいです(不可能ではないですが……)。
一番効率的で現実的なのは、「そのロジックをチャートツールに組み込む」ことです。
ツールは随時値動きを見てくれているし、値動きがある度にあなたの独自指標の判断材料として計算させれば良いからです。
しかし、全てのチャートツールがこういう「独自指標を取り込む」ということが出来るわけではありません。メジャーなテクニカル指標を表示したり、それらの指標のパラメーターを微調整したりは出来ますが、プログラムを入れて走らせるというのは限定的なのです。
そして独自指標を検証する時はその独自指標の条件を過去の値動きからピックアップして計算しなければいけません。指標というのは「こういう時に・こういう時なら」というトリガーがあるはずだからです。
そのトリガーが発動した時、どういう具合に決済させるかもロジックに入れている場合、過去の値動きのデータを基に損益を算出することを「バックテスト」と言います。
「チャートツールに独自指標をプログラミングして組み込むこと」が出来、それを基に過去の値動きからどれくらい損益があるかを検証する「バックテスト」まで出来る、こういうのがあったら嬉しいですよね?!
このマネックス証券のツール、それが出来るのです!
プログラミングのための資料は見ようと思えば誰でも見ることが出来ますから、プログラミングがダメでも誰か分かる人に頼めば良いので絶対に無理ということはありません。Excelでという話をしましたが、Excelでやるにしても、関数とかを覚えないといけないのですから同じことです。
マネックス証券のツールが優れているというのはこういうことなのですね。
自分でプログラミング出来なくても、誰かに頼むことが出来なくても、そもそも論としてそういう機能を持つツールですから、使いやすさも良いです。パソコンだけでなく、スマホにはスマホ用の、タブレットにはタブレット用のツールがちゃんとあり、注文もスムーズに出来るようになっています。
マネックス証券のその他のメリット
マネックス証券が取り扱っている商品は現在、以下の通りです。
- 国内株式
- 信用取引
- 新規公開株(IPO)
- 米国株
- 中国株
- 投資信託
- 外貨建てMMF
- ETF(国内・海外)
- 債券
- 先物・オプション取引
- FX
- 金・銀・プラチナ
- くりっく株365
注目すべきは、他の証券会社では取り扱っていない「金」があることです。SBI証券は唯一PTSを、マネックス証券は「金」を、というわけですね(SBI証券については『ネット証券の最大手!SBI証券の魅力とデメリット』を参考にして下さいね)。
手数料については、株の売買手数料で言えばマネックス証券は2つのコースを用意しています(自分で選べます)。
・取引毎手数料コース
- 10万円以下の取引だと手数料100円です。
- 凄く安く見えますが最安ではありません。
- 同じ10万円以下という条件だと松井証券だったら無料です。
- ただ、10万円〜50万円の取引だと他のネット証券と同じぐらいの水準で確かに安いと言えます。
・一日定額手数料コース
- 1日何回取引しても2,500円(税抜)です。
- 300万円ごとに2,500円増えるようになっているので、1日あたり、300万円ギリギリぐらいの取引額なら一日定額手数料コースを選んだ方が手数料の節約になります。
- 一株だけの売買手数料は最安です。
- 徹底的に手数料を安くしたいのであれば、マネックス証券のワン株ですね。特に1株で手に入る株主優待を買う時はマネックス証券が最もお得です。
他にも、ワン株と呼ばれる、「一株だけ買う」場合は、手数料がどの証券会社よりも安いということです。最低50円で済みます(SBI証券は52円掛かります)。
基本的にマネックス証券は手数料が安いですが、例えば日経225先物だと少し事情が異なります。
日経225先物というものは証拠金が必要となります。そのお金がないとそもそも取引出来ないのですね。その証拠金はSPAN証拠金額というものに証券会社が各自用意している掛目というものを用いて算出します。
掛目という文字の通り、SPAN証拠金額に一定の割合を掛けて算出します(1.x倍とかです)。マネックス証券はこの掛目が少し他の証券会社と比べて大きいです(つまり証拠金が他よりその分高くなります)。
投資信託の積み立ても出来ます。手数料無料のインデックスファンドも3つあります。投資信託は1,000円から積立が出来ます。
株取引や投資信託の買付・保有でマネックス証券独自のポイント「マネックスポイント」が貯まっていきます。貯まったポイントは株式手数料に充てたり、以下の交換先で交換したり出来ます。交換先は、
- Suicaポイント
- ANAマイル
- JALマイル
- Tポイント
- nanacoポイント
- WAONポイント
- 永久不滅ポイント
- マネックスグッズ
などです。
ここは『まずは最低でも3万円!投資資金を効率良く貯める7つのコツ・方法』や『超初心者でも実践できる!上手な2つのお金の増やし方』で書いたことと似ていますね。マネックス証券で取引したりして貯めたポイントをマネックス証券で手数料として充てるだけでなく他のものにも充当出来るというわけです。
デメリットは玄人過ぎるところ
確かに色々と便利なのですが、逆に便利過ぎたり豊富過ぎたりで混乱しやすいということは否めません。
サイトも、ログイン後のメニューは確かに色々なページがあるのですが目的のページにたどりつき難いという点が最初に出て来るでしょう。
商品も沢山あります。
……正直なところ、玄人過ぎるところがあります。
プログラミングして独自指標をというのも本当に便利だし、それをやりたいと思うのならうってつけなのですが、それが必要ないということでしたら他の証券会社のものでも構わないし、マネックス証券だからこそと言えるものがないのであれば、少なくとも最初の内は玄人過ぎて混乱したりストレスになったりすることがあります。
まとめ
『ネット証券の最大手!SBI証券の魅力とデメリット』で、「気付かないところへの配慮」として「細かい作り込み」の話をしました。人間というものは、最初から何らかの恩恵にあずかるとその良さに気付かないものです。気付いても時間が立てば頭から離れるものです。そのくせ最初から違和感を覚えるとあれこれ言ってしまいます。
マネックス証券のサイトは、少なくともログイン後はこういう「気の利いた細かい作り込み」が出来ているとは残念ながら思えません。
あくまで参考程度ですが、あなたがこれから証券会社の口座を開設しようと思っているなら、マネックス証券についてはこのことを頭に入れておいてもらえると嬉しいです。