「投資をしてみたい!」と考えているあなた……そんなあなたの周りには既に投資をやっている人がいて、その人から実体験を聞いているかも知れません。
やってみたいという気持ちがあって意気揚々としているのに、「えっと、どこの証券会社が良いんだろう?」とお悩みかも知れませんね。
経験者の話を聞けばマニアック過ぎて「???」な時もあったりします。経験者は一般論としての良し悪しよりも自分にとっての良し悪しを話します。自分の経験を話す時に一般論を話しても仕方ないですからね。
でもそれがかえって「これからはじめたい」という人にとっては混乱の元になってしまうのです。
ここでは、投資を始めようと考えている人がどの証券口座を選ぶか判断する時に、「絶対に押さえておきたいポイント」を7つ紹介します。
証券会社を選ぶ時に気をつけたい7つのポイント
1.システムの安定性
これ、大前提です!
電話を掛けて窓口の人に注文内容を伝え、その人が手動で注文を入れるというわけではありません。情緒ある魚市場のせりのように、人間だけが集まって人間だけが価格を決めるのではありません。
システムが全て制御し、そのシステムに注文を投げ、システムが注文を受け付けます。注文を受け付けなくてもシステムは常に価格を監視します。
あなたの証券会社口座とシステムはインターネット回線でつながっています。
証券取引所そのものが事件・事故の場合はまだしも、証券会社のシステムがダウンしたらどうなりますか?ダウンしなくても安定性がなかったらどうしますか?
買いたいと思っている価格すら実は数分前のものだったらどうしますか?注文したのに数秒待っても受け付けてくれなかったらどうしますか?
証券会社のサービスがどれだけ良くても、この「証券会社のシステム」がこんな調子だったら目も当てられないですよね?!
実際にこういうことは時折あります。
セリクラという言葉があります。これは「セリングクライマックス」の略です。相場での大暴落の最後の調整局面に起こる悲観的な総投げ売りのことです(投げ売りとは、買っている人が損切って売ることです)。
クライマックスというくらいなので、最高潮の値を急激に付けていきます。
価格がどんどん暴落して評価損(含み損)が膨らみ過ぎた人は心理的にも資金的にも耐えられなくなり投げ売りをします。そうすることで価格は更に下がります。価格が下がることによってそれまで耐えていた投資家も心理または資金が耐えられなくなり投げ売るという連鎖を起こします。
売りが売りを呼び一段と価格が急激に下がり、そして投げる人がいなくなり売りが出し尽くされてセリクラは終わります。
今の暴落がセリクラかどうかは現在進行形では分かり難いです。ただ、面白いことを言う人がいます。曰く、「あそこのシステムがダウンしたらセリクラ」だと……。
セリクラが起きている時は価格が暴落し投げ売り注文が多発します。その処理に耐え切れなくなるとシステムは不安定になったりついにはダウンしたりします。某証券会社はセリクラに限らず値動きが激しいとシステムが不安定になることが良くあって、この人はそういったことを揶揄しているのですね。
あなたが証券口座を開設する時、「免責事項」を良く読んで下さい。こういうシステムダウンの時でさえも証券会社は保証してくれないのです。
自分が仕事中だったり睡眠中だったりで「自業自得」な場合でさえ悔しいのに、自分の関与しないことが理由で自分の資金が減るのなら、あなたはそれを許容出来ますか?そのやるせない気持ちをどこに持っていきますか?
こんなことが起きたら、たまらないでしょう?!
2.注文方法は豊富か?
『時間のないサラリーマンでも出来る!手軽さと正確さを兼ね備えた株式投資法』で書いていますが、豊富な注文方法は、仕事で忙しいあなたの投資をサポートしてくれます。値動きを追随出来なくても、注文方法次第で損を限定出来ます。時間を有効活用出来ます。
豊富な注文方法は、メジャーなものでしたら大体どこの証券会社も名称は違えど用意してくれていますし、現物株の投資ならそれほどの機能差はないかも知れません。
ですがあなたがもし他の商品を投資したいと思ったなら、注文の多彩さは必要不可欠です。最初は便利だと思える注文方法を慣れるまで使うべきですが、それが終わったら色々な注文方法を試してみる時が来るはずです。
すぐに買ってすぐに売却する、そういう投資手法をスキャルピングと言いますが、注文方法が豊富であればあるほどスキャルピングには有利です。
3.手数料
『退職金の資産運用で失敗する前に知っておきたい3つのポイント』で書いていることですが、サービスと呼ばれるものには全てにコストが掛かり手数料という形で計上されます。投資も同じです。
あなたが狙っている株を買う時も、それを売却する時も手数料は取られます。注文方法の多彩さや便利さを考えればこの手数料は安いと思えることもあると思いますが、手数料が掛かるということとその手数料は証券会社によって違うということを頭に入れておきましょう。
4.携帯対応
『時間のないサラリーマンでも出来る!手軽さと正確さを兼ね備えた株式投資法』で書いているように、携帯がなければサラリーマンが投資をするには厳しいものがあります。
携帯に対応していない証券会社は今は殆どないと言って良いですが、きちんと確認しましょうね。
5.ツールの豊富さ
資産管理などはどこの証券会社も入金や出金など当たり前に出来ますが、チャートやその他銘柄・株価分析をするにはそれなりのツールがないと出来ません。ゆっくり出来る時間と場所でパソコンで見るといっても、ツールの出来が悪ければいつどこで見ても自分が望む分析が出来ません。
最初は不勉強でも勉強の過程でどんどん新しいことを学んでいきます。
最初はそのツールがどんな機能を持っていて、その機能を使うことでどんなことが出来るか余り分からなくても、出来るだけ豊富なものを選びましょう。
6.使い勝手
スキャルピングなら勿論ですが、そうでなくても注文取り消しから新規注文にする時(保有銘柄の売却を逆指値から成行にする場合など)は、パソコンなら数クリックで済むものに、携帯(ガラケー)ならボタンを出来るだけ押さなくて済むように、スマホやタブレットなら数字が打ちやすくてスワイプ操作が少なくて済むようになっていて欲しいですよね?
操作性が悪いとそれだけ対応が遅れ、心理的にも良くありません。
7.分散
『時間のないサラリーマンでも出来る!手軽さと正確さを兼ね備えた株式投資法』で書いているように、証券会社はひとつにしなくてはいけないことなんてないのです。
システムが抱えているリスクの分散、ツールの良し悪しを補うための分散、取引自体を分散して資金自体を分散させる、そういったことが出来るしそうすべきです。
まとめ
証券口座を開設したからといって、その口座を維持するために費用が掛かるということはありません。口座維持費が掛からないのですから、ここに挙げた7つをあなたの実情にあてはめてみて、自分に合うと思えるものを判断する材料として複数開設しても問題はないのです。
大事な資金です。全てがあなたの資産の増減に影響します。はやる気持ちがあったとしても、最初はじっくり考えてみて下さいね。