近年、仮想通貨という言葉を耳にする機会が増えてきましたよね。ニュースでも取り上げられることが多く、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
仮想通貨の代表的なものとして、よく挙げられるのが、ビットコイン。それに対して、アルトコインと呼ばれるものがあります。これは、ビットコイン以外の仮想通貨の総称です。
今回は、アルトコインの中のリップルを取り上げ、今後の将来性と予想について詳しく見ていきます。
まずはリップルの特徴をおさらい
リップルの特徴をおさらいしておきましょう。リップルは、Ripple社が提供する仮想通貨のことを指しています。XRPという単位で表されます。
公式サイト:Ripple(https://ripple.com/jp/)
ブロックチェーンを使わないタイプの仮想通貨
仮想通貨を取引するうえで土台となるシステムがブロックチェーンです。リップルは、Ripple社独自の送金システムRippleNetを用いています。これは、最先端のブロックチェーンの原理に基づき構築された技術です。スケーラブルで安全性が高いという特長があります。
世界中の大手企業に注目されている
RippleNetは、「世界で唯一の、法人向け国際送金ブロックチェーンソリューション」を謳っており、銀行や送金業者、デジタルアセット取引所など多くの金融を扱う企業に注目されています。アクセンチュアやSBI GROUPなどが出資者として名を連ね、顧客や商用で利用している企業にもMUFGやAMERICAN EXPRESSなどがあり、世界的に有名な企業がRippleNetに参加しています。
決済速度が速いので通貨として最適である
リップルの最大の特長が決済速度の速さです。リップル(XRP)の送金は、わずか4秒で決済されます(公式サイトより)。決済速度が遅いと送金から決済されるまでの間に市場が変動し、決済されたときに損失が大きくなってしまったり、利益が小さくなってしまうこともあるでしょう。その点、リップルの高速性なら影響が小さく済みます。
リップルのメリットについては、こちらが参考になります。
巨大企業がリップルに注目する理由
「世界中の大手企業に注目されている」で記した通り、多くの有名企業がRippleNetに参加しています。なぜ巨大企業がリップルに注目するのか、その理由をまとめます。
従来の送金システム以外の新しい送金システムの可能性がある
リップルには、従来の送金システムでは実現できない利便性があり、新しい送金システムとなる可能性を備えています。
ここで、海外に送金する場合の従来の送金システムがどんなものなのか、確認しておきましょう。
従来の送金システムの場合、送金人が送金額を振り込んでから、大体2~4日後に受取人の口座に送金が完了します。必要になる手数料や金額は金融機関によって異なりますが、図にある通り、様々な手数料がかかります。
リップルを使えば、中継銀行を介することなく直接受取銀行に送金できたり、送金にかかる日数や手数料を減らすことができたりします。新しい送金システムとして導入できれば銀行にとっても利用者にとっても質の高いサービスとなります。
いつでもどこでも素早く送金する事ができる
従来の送金の場合、インターネットバンキングを利用していれば店舗に行かなくても送金できることもありますが、スマートフォンからは送金できなかったり、中継銀行を介さなければならない送金はできなかったり、金融機関によって様々な制約があります。
リップルなら、パソコンやスマートフォンなどインターネットに接続できる機器を使って、いつでもどこにいても送金でき、すぐに相手の口座で受取が完了します。
通貨の違いをものともしない新しい送金システムの構築ができる
海外への送金は、通貨の交換が必須になるため、変動する為替相場の影響を受けます。処理に時間がかかると、その間にも変動する為替相場により必要となる円も減ったり増えたりします。その点、リップルは高速性に優れているので、市場の影響は少ないと言えます。
高い手数料を抑える事が可能となる
従来の国際送金には、送金手数料、円為替手数料、中継銀行手数料、受取銀行手数料といった多くの手数料が必要で、高い手数料がかかっていました。リップルを使うことにより、中継銀行が必要なくなり、また手数料自体も安くおさえることが可能になります。
セキュリティが高い事も企業の注目を集める理由
RippleNetは、最先端のブロックチェーン技術を土台としています。ブロックチェーンでは、中央のシステムに全てのデータを保存するのではなく、世界中のコンピュータに分散して保存されます。そしてその各々がチェーンのようにつながっていて、各々が全ての記録を確認、検証できます。そのため、多くの目が監視していることになり、1つの中央システムに格納するよりもセキュリティが高くなります。このブロックチェーンの原理に基づき、リップルでは、取引の承認ができるのは選定されたバリデーターのみであったり、攻撃者を破産させる仕組みをとっていたりと、セキュリティが高いことが注目される理由のひとつです。
リップルのデメリット
ここまで、リップルが大企業に注目される理由、言い換えればリップルのメリットについてみてきました。今度は、反対に、リップルのデメリットには何があるのかまとめます。
注意すべきはリップルは貸金手形であるという事
リップルでは、ゲートウェイがIOUと呼ばれる借用証書を発行することで送金されます。例えば、仮に10XRPを送金したとします。IOUの内容は、送金側は「10XRP送金しました」となり、受取側は、「10XRP受け取りました」となります。これは、データを書き換えただけに過ぎず、実際に現金が送られて現金を受け取ったわけではありません。そのため、このIOUに基づき、受け取った10XRPを1XRP100円で現金にする場合、1,000円引き出せるはずですが、もしATMが保有している現金が少なくなっているなどの状況によって、手元には入ってこないという可能性があります。
マイニングで稼ぐ事ができないという点
リップル(XRP)のデメリットとして、マイニングで稼ぐことができないという点が挙げられます。
マイニングとは、仮想通貨の取引情報を解析して、新たにブロックチェーンを作成することを言います。仮想通貨の取引情報は、中央システムを持たず、分散して格納されているため、マイニングは膨大な情報を解析して計算する必要がある大変な作業です。その代わり、マイニングに成功した人には、報酬として仮想通貨が支払われます。
他の仮想通貨と違って、リップルには、このマイニングがありません。通常、仮想通貨はそれぞれ発行枚数が決められており、その範囲内でマイニングに成功した人への報酬として新規に発行され、市場に出回っていきます。リップルの場合、決められた発行枚数全てを発行し終わり、そのほとんどをリップル社やその他の企業が保有している状況です。
リップルでマイニングができるのは信用のある企業のみ
リップルでは、マイニングは必要ありませんが、取引情報の承認はする必要があります。この承認は、世界中にいるバリデーターによって行われます。現在、バリデーターは、リップル社やその他リップル社が選定した企業が務めています。
リップルが将来性が高いのはなぜなのか?
それでは、なぜリップルは将来性が高いのか考えてみましょう。その理由には次の2つが挙げられます。
リップルのRTXPは悪意のある組織には襲うメリットが少ない
リップルが提供するRippleNetの土台となっているのが、RTXP(リップル・トランザクション・プロトコル)です。このRTXPは、ネットワークを攻撃し、高い負荷がかかるような場合、攻撃者を瞬時に破産させるために、高額な手数料を貸すよう設計されています。そのため、悪意のある組織がRTXPを攻撃するメリットがありません。このようなセキュリティの高さが、リップルの将来性として評価されていると言えます。
利便性が高い通貨なので金融業で採用される可能性が高い
リップルは、法人向けの国際送金ソリューションとして開発されたシステムです。「巨大企業がリップルに注目する理由」でも紹介した通り、より安価で便利に利用できる国際送金システムとして、従来のシステムに代わって金融業をメインに導入される可能性が高いサービスです。この点がリップルの将来性の高さにつながっています。
これから仮想通貨の投資を考えている方は、リップル(XRP)も検討してみてはいかかでしょうか。