投資には株式のほか、債券・投資信託・外貨預金・FX・保険等、様々な商品があります。
どれか一つの投資が優れているという事はなく、株式投資についても理解を深める事は重要です。他の商品との違いや、株式投資のメリットについて解説していきたいと思います。
株式とは何か
株式とは株式会社が資本金調達の手段として発行する有価証券です。株式を保有するという事は株主になるという事で、会社の資本金の一部を出資している事から株式会社の一口オーナーといえます。
株主は会社の経営に参加する事(議決権)も、会社の利益の配当を受ける事もできます。上場株式はいつでも時価で売却する事ができます。会社の業績に左右され株価は変動したり、会社の破綻時に株価が暴落するという信用リスクがあります。
債券とは何か
債券とは、国や地方公共団体・企業などが資金を調達する為に発行する有価証券です。借用証書であり、借金に似た性質を持っています。発行体は期限と金利を決め、債券を発行します。
例えば100円で募集し年率1%の利子を付け5年後に100円の額面で償還(弁済)する債券があったとします。借金と同様で期間満了後に弁済する金額は決まっていますが、その間に破綻されてしまうと投資したお金は返ってこない可能性があります。
お金を借りている発行体は決まった利率を払い、償還時にも決まった額面を払えばいいのですから、その間に債券を売買されても損失を被る事はありません。翌年、同じ発行体が5年満期で0.5%の債券を発行したとすると、信用リスクは同じですが、1年前の債券の方が金利は良いという事になります。
そうすると金利の良い債券は欲しがる人が増え、高い金額で債券を売る事ができます。この用に債券価格も値動きはありますが、残り1年など満期近くになった債券は高い値段で買っても1年分の金利しか受け取れませんので、債券価格は100円の額面に収束していきます。
償還時まで発行体が破綻せず債券を不利な価格で売却しない限り元本は保証されますので、株式よりもローリスク・ローリターンです。
外貨預金とは何か
外貨預金は外貨建てでの銀行に対する消費寄託です。消費寄託というと難しく思われるかもしれませんが、簡単にいうと何時でも返済してくれる消費貸借契約です。
外貨建てという事以外は円預金と同じ(ペイオフは対象外)で、外貨預金を使って外国債券を購入する事や、外国株式を購入する事もできます。
為替相場の影響を直接受ける為、株式とは別の性質を持っています。
投資信託とは何か
投資信託とは、投資家から資金を集め大きくまとまった資産で債券や株式・外国債券や外国株式、また不動産などに投資し、その運用結果を投資額に応じて投資家に分配するものです。ファンド毎に外国債券に重点を置くなど運用方針は違い、プロに売買を任せて運用してもらいます。
いつでも基準価額(時価)で売却できる投資信託が一般的ですが、プロに運用は任せているため信託報酬という管理費のような金額が掛かったり、自身で一つ一つの銘柄は選べないなど、債券や株式とは別の性質を持っています。
FXとは何か
FXとは外国為替証拠金取引の事で、外貨預金に似ていますが、証拠金を担保にする事により、少ない金額で大きな外国為替取引をする事ができます。
外貨預金と違うデメリットは、国内のFXでは実際に業者がリアルタイムで外貨を売買しておらず、外貨で出金したり、FXで米ドルを持っていても米ドル建ての債券を購入したりする事はできないという事です。
外貨での為替差益やスワップポイント(金利差益)を狙うものである為、これも株式とは違う性質を持っています。
保険商品とは何か
保険商品と言っても多種多様で様々ですが、投資型の保険商品があります。10年間経てば元金は保証されたりと投資型の中でも様々ありますが、これは投資先が破綻するだけでなく、保険会社自身が破綻しても元金は戻ってこない可能性があります。
いわば保険会社に対してお金を預け運用してもらうようなイメージです。投資信託であれば信託銀行自身の資産と投資家の資産とは分別管理されている為、管理先が破綻しても投資家の資産は守られます。
株式投資が必要な理由
株式のほか、債券・投資信託・外貨預金・FX・保険等、様々な商品がある中で、投資期間やリスク、投資先はそれぞれ異なります。株式だけに投資しては、円安に対応する事はできませんし、5年後に必要な資金が決まっている場合は5年後に株価が上がっている保証はありません。
一方債券だけでは、円安に対応できませんし、流動性が低かったり、物価高に弱いというデメリットがあります。この様に、商品によって違ったメリット・デメリットがありますので、どれか一つの投資を極めれば安定的に稼げる訳ではなく、リスクを分散する為に株式投資は必要になってくるのです。