仮想通貨の基礎知識

仮想通貨の取引をするなら税金対策もしっかり考えるべき

仮想通貨で資産運用する時には税金対策を考える

2017年12月、仮想通貨は軒並み大きく値を上げました。

 

例えば、仮想通貨の代表である「ビットコイン」は、2017年5月時点では、「1BTC=100,000円」でしたが、2017年12月には、「1BTC=2,140,000円」と20倍以上に高騰しました。その後、コインチェックによる「NEM流失事件」を皮切りに、マイナス要因のニュースにひっぱられ、2018年3月には「1BTC=850,000円」と下落しました。

 

このように、大きく上昇することもあれば、大きく下落する仮想通貨。

「億り人」という言葉がよく聞かれるようになり、大きく利益を出した人もいれば、大きく損をした人もいらっしゃるでしょう。大きく利益を出した人であれば、仮想通貨で資産運用を行い、さらに資産を大きくしたいと思われるでしょう。

 

そんな中で気になるのが「税金」ですよね。せっかく儲けたのに、税金に利益をもっていかれると、おおきなショックです。仮想通貨における「税金」に対する知識をつけ、多くの利益が手元に残るように、しっかりと税金対策を考えましょう。

 

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仮想通貨取引によって税金が発生する

ご存じのとおり、仮想通貨は実際に紙幣や硬貨として存在するわけではありません。インターネット上の「暗号」に過ぎません。

 

合わせて、公的機関(国)が運営している通貨でもないので、「税金はかからないのでは?」と思われるかもしれませんが、実際は、税金がかかります。

 

国税庁は、タックスアンサーで、仮想通貨に関する税金についての公式発表を行いました。それまでは、何の発表もなかったので、税金がかかるかどうかさえ、不透明でありましたが、今回の国税庁の発表で、税金の内容がはっきりと見えてきました。

 

国税庁のタックスアンサーは以下の通りです。

 

“ビットコインをはじめとする仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益については、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分され、所得税の確定申告が必要となります。”

(個人課税課情報第4号より引用)

 

この発表により、仮想通貨で得た利益は、原則「雑所得」に区分することが明らかになりました。ただし、あくまでこの内容は国税庁の見解です。

 

日本の税金に関する法律は国会で定めますが、それが正しいかどうかを判断するのは裁判所になりますので、今後、仮想通貨がらみの裁判で見解がかわる可能性もあります。

しかし、現在は、国税庁の見解の基づき、税金対策を行うのが無難です。

年間本業以外で20万円以上の収入で発生する

次に、どのような人が納税が必要になるかをみていきましょう。

まずは、仮想通貨の利益は「雑所得」に区分されるということがわかりました。この雑所得がどのような所得かを理解する必要があります。

 

所得とは、内容によって10種類に分類されます。例えば、会社勤めのサラリーマンが会社からもらう給料は「給与所得」。事業を行い、そこから生じた所得は「事業所得」。

他に、「不動産所得」「退職所得」「配当所得」「利子所得」「山林所得」「譲渡所得」「一時所得」と細かく区分されています。

 

雑所得は、上記の所得に区分することができない所得になります。例えば、アフィリエイトで得た所得や、ライターとして記事の執筆で得た所得などが、雑所得に区分されます。

 

次に、雑所得の税金の内容をみていきましょう。雑所得は、所得(利益)が20万円以下の場合は確定申告が必要ありません要するに、利益が20万円以下の場合は、税金を納めなくてよいということです。

 

例えば、仮想通貨で1年間の利益が「18万円だった」という場合は、税金は納めなくて大丈夫です。

しかし、所得(利益)が20万円を超えた場合は確定申告が必要になり、税金を納めなければなりませんので、目安の金額は「20万円」というのを覚えておきましょう。

仮想通貨取引で税金対策をするには? 

仮想通貨で税金がかかってくることがわかりました。

それでは、税金がかかるのであれば、税金がかからない方法がないのか知りたくなりますよね。次は、課税されない対策方法をみていきましょう。

トレードせずにホールドし続ける

仮想通貨を手に入れるには、

  • 取引所で取引を行い購入する
  • 販売所で購入する

の2通りがあります。

 

そして、手に入れた仮想通貨を、販売、あるいは決済ごとに使用することにより損益を計算していきます。いわゆる「使用する」という行為ですね。

手に入れたあと、それをどうするかは、その人次第ですが、仮に持ち続ける選択をした場合、税金を納める必要はありません。使用して初めて損益を計算することができますので、使用しなければ、損益は計算できません。

 

たとえば、使用せず保有している状態で海外に移住し日本の非住居者になり、それから使用するれば、日本から課税されることはありません。その移住先が、仮想通貨取引の課税が安い国だったとすると、かなりの節税になる可能性があります。

 

関連記事:仮想通貨をホールドする意味とメリット・デメリットを徹底解説!

年間の決済のタイミングを調整する

仮想通貨の所得(利益)の税金の区分にあたる雑所得は、1年間の利益総額で確定申告を行います。ですので、1月1日から12月31日の間で、損益を調整することが可能です。

決済のタイミングを調整することで、大きな節税効果を期待することができます。いくつかご紹介していきます。

 

マイナス通貨を決済することによって利益を圧縮

雑所得に課税対象となる金額は、利益と損失を合計額になります。

利益額のみが課税対象ではなく、損失分を差し引き、その合計額が課税対象の金額になるということです。ですので、年末にマイナスになっている通貨を損切りし、利益の出ている通貨から差し引くことにより利益総額を圧縮することができます。

 

そうすると、課税対象の金額も減額することができるので、節税することができます。塩漬け状態になっている通貨を、思い切って損切りするのも、税金対策になります。

 

関連記事:仮想通貨取引の税金の損失とは?利益を増やすための基礎を徹底解説!

毎年少しづつ利益確定していく

前に記述したとおり、雑所得は20万円以下の場合、確定申告が不要になります。仮想通貨の場合、購入し、持ち続けているだけであれば、税金はかかりません。1年間の利益が20万円になるように利益確定のタイミングを調整することにより、節税効果が得られます。

 

ただ、長期保有することになりますので、値下がりリスクも考慮する必要はあります。合わせて、仮想通貨の過去の歴史上、値動きが激しいので、20万円以下に調整していくことは、現実的に難しいでしょう。

 

しかし、理論上は、可能ですので、うまく調整できれば、大きな節税効果が期待できます。

個人事業として登録する事も節税になる

仮想通貨は、原則「雑所得」であることはすでにご理解いただけていると思います。

 

原則”と書いているので、違う所得に分類することができるのでは?と思う人もいるでしょう。実は、所得区分を“事業所得”にすることも可能です。事業所得にすることによって、大きな節税効果が期待できます。

 

その節税効果は以下の通りです。

 

  • 不動産所得や給与所得などの他の所得と損益通算できる。
  • 損失を翌年3年間にわたって繰り越すことができる。
    (※青色申告の届けの受理が必要)

 

雑所得の場合は、雑所得のみでの損益通算でしたが、事業所得にすることにより、他の所得と損益通算ができるようになります損益通算できる領域が拡大されることにより、より大きな節税対策ができます。

 

次に、損失を3年間にわたって繰り越すことができることも大きな節税効果になります。雑所得は、翌年に繰り越すことができません。これも、雑所得と事業所得の大きな違いです。

 

これを見ていただくと、誰でも事業所得として申告したくなりますよね。しかし、事業所得にするためには、大きなハードルが存在します。

 

国税庁は、事業所得として区分してよいという見解を以下のように示しております。

 

  1. 事業所得者が事業用資産として仮想通貨を保有し、事業の決済手段として使用する場合
  2. 仮想通貨取引の収入によって生計を立てていることが客観的に明らかな場合

 

①に該当する方が非常に少ないと思われますので、②に該当するかがポイントになります。これまでの国税庁の見解などをもとに②の判断基準として考えられるのは、

 

  • 仮想通貨取引にどれくらいの時間をかけているか?社会的通念として一つの事業といえるくらい時間をかけているか?
  • 仮想通貨による収入が自分の生活維持できる以上のものになっているか?
  • 仮想通貨取引以外の他の仕事に従事しているか?
  • 仮想通貨取引の頻度はどれくらいか?

 

これをクリアできると、個人事業として認められ、事業所得して申告することが可能となり、大きな節税効果を期待できます。該当する人は、個人事業として登録していくことをオススメします。

 

関連記事:仮想通貨を個人事業主が取引する時の注意点と決済のタイミング

企業の中には仮想通貨取引を禁じているところもある

仮想通貨取引を副業と位置付け、仮想通貨取引を禁じているところもあります。ですので、仮想通貨取引を始める場合は、先ず、会社の就業規則に目を通しましょう。副業に関する条項には「全面禁止」「許可制」「自由(規定なし)」などが定められているはずです。

 

日本では、まだまだ少ないと思われますが、「自由(規定なし)」と定められている場合は、何の心配もなく始めてかまいません。

しかし、本業がおろそかになり、その理由が副業だったということがバレると、就業規則違反などで、懲罰を受ける可能性もありますので、充分のお気をつけてください。

 

納税の必要がある場合は会社にバレないように申告

納税が必要になった場合、「副業していることが、会社にバレるとやばい。」と思われる人もいるでしょう。バレないように申告する方法をしっかりと把握し行動すれば、バレる可能性はほぼゼロになります。

 

確定申告で会社にバレる可能性があるのが「住民税」です。下記が住民税についての表です。

 

年収

住民税

500万円

約20万円

600万円

約30万円

 

このように、年収のよって、住民税は異なります。

ですので、給与振込担当者は、「この人、年収500万円なのに、30万円も住民税を払っている。副収入があるのでは?」こうして、100万円分の副業があることがバレます。

 

その対策としては、副業分の住民税を自分で支払うようにすることです。確定申告のときに、確定申告書類の住民税に関する部分に「自分で納付」にチェックをするだけで、会社にバレることはありません。

 

まとめ

仮想通貨は、今後、大きく世の中に出回る可能性があります。その場合、国税庁も税金に関して、さらにシビアに考え、しっかりと税金を搾取してくると考えられます。

せっかく儲かった利益が、ほとんどが税金でもっていかれるということがないよう、しっかりと対策を行い、利益を確保していきましょう。

 

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