セミリタイア……良い響きですね!誰もが憧れます。
起業して退職(あるいは起業するために退職)するなら今の仕事を辞めてもあなたにそれなりの収入の見込みがあるからまだしも、本当にセミリタイアとなると、それは定年退職であろうと(少し)早めのリタイアであろうと、『退職金の資産運用で失敗する前に知っておきたい3つのポイント』にあるようなリスクが付きまといます。
もしそのリスクが顕在化し、本当に全てを失ったら、その時点でのあなたの保有資産しか頼れるものはありません。少なくとも、年金は受給開始年齢になるまでは支給されません(勿論セミリタイアせずとも受給開始年齢になる前に受給資格を失えば同じことですが……)。
完全なリタイアじゃないとしても、それなりの収入が見込めなければ現実問題として辛いものがあります。資産運用をして本当に(リスクはあるにしても)それなりのお金を手に出来たならまだ良いですが、そこに至る前に悲しい結果になってはいけません。
そこに至るための考え方や手法は人それぞれです。ある人はこれが近道だと言い、またある人は「それは違う、自分はこうだ」と言います。唯一正しいと思える「巨万の富で運用する」という手法も、下手をすれば一気に失います(小さく運用すれば良いでしょうが、自分の力で巨万の富を少額から築いた場合は当然そこに至るまで小さい運用の繰り返しというのは余りないでしょうから難しいです)。
盤石な段階に至るにはそれこそ試行錯誤を繰り返さないといけないですが、資産と同様に盤石な自分なりの資産運用手法が見つかるまでに大きなミスをしたら取り返しがつきませんよね?
ここでは、出来るだけそういう事態を招かないために心掛けておきたい3つのポイントを書いていきます。
1.少額で始める
当たり前のことですが、誰もが分かっていても出来ないところがありますね。
儲けた人の声を聞くとついつい自分もと手を出したくなります。そしていきなりはじめて大きなお金を手にするともう病み付きになってしまいます。いきなりはじめて大きな損失を被った場合、それを挽回するためにとまた大きなお金で挑みます。小さい額で取引したところで得られる利益は少ないからです。
当たり前過ぎることですが、誰もが陥りやすいことです。あなたも気を付けて下さいね。
2. 「価格変動の少ないもの」に絞る
FXなら価格変動の少ない通貨を狙う。出来ればスワップポイントで増やす。
良くFXで巨万の富を得たという人をニュースや雑誌やネットで見ますね。FXは短期間で本当に巨万の富を得ることが出来ます。でもこれは、売買を間違えていれば同じ額だけ損失を被っていたということです。
短期間で巨万の富を得て羨望の眼差しを一気に受けた人でさえも、たった数回の取引で0になるどころかマイナスになった……そんなパターンも(特にネットでは)日常的に見ます。日経225先物も同じです。
これらが一気に巨万の富を得たり一気に失ったりすることがあるのは、「レバレッジが効く」からです。少額の資金で始めて少額の損得でというのなら分かりますが、こういったものは、例えば日経225先物なら実際は自分が投じた金額の1000倍で取引をしているのです。だから得る金額も失う金額も大きいのです。
そういった取引に沢山の枚数・ロットで勝負するから利益も損失もその分だけ跳ね上がります。
本当に怖い世界です。だから慣れるまでは絶対に手を出すべきではありません!そして慣れることがあっても常に資産管理をきちんとして感情を持ち込まずに淡々と取引すべきです。
株式投資(現物投資)も価格変動の少ない銘柄を選ぶ。仕手株は言うまでもありません。本当に値動きが激しいです。こういったものに手を出すと一気に失います。
相場には「仕掛け」というものがあります。
巨額の運用資金を持っている連中が意図的に価格を吊り上げたり吊り下げたりするのです。あなたは普通自動車運転免許を持っているとします。そしてレースに出たいとします(そしてレースに出場出来るとします)。
こういった値動きの荒い仕掛けが入ったりする商品に手を出すことは、いきなりF1レースに参加するようなものです。ちょっとの衝撃が物凄く大きな事故に繋がるのですね。
3.「価値の減少が低いもの」に絞る
投資というのは結局のところ売買です。つまりお金の移動です。そして売買は「価値の交換」が前提です。
不動産投資なら、マンションを経営するよりは駐車場の方が資産価値の減少が少ないですよね?マンションはランニングコストが高い……修繕費用だけでも高いのに、もし建て替えるとなるともっと必要になります。
駐車場ならランニングコストはマンションよりははるかに安いでしょう?その場所に価値があれば誰だって契約してくれます。
金の取引は確かに価格変動がありますが「通貨価値がなくなっても金だけは」というのが全世界共通の価値観です。余程の高値で買わない限りは一時的な下落があっても価格は戻ります。
また金の取引は比較的少額で始められます。
まとめ
再三書いているように、投資にはリスクが付き物です。ここでは預金や(貯蓄型)保険に触れませんでしたが、預金だって金融機関が倒産すれば終わりです。ペイオフもありますが(一か所に)大きな金額を投じていれば保護されません。
保険だって金額(掛け金)は変わらないにしても為替を扱ったものの場合だと、変動幅が大きければそれだけ影響します。
リスクコントロールをする上で、「常に上手くいく、勝ち続ける」ことなんて不可能だということを大前提にして下さい。特に株式投資の世界では「勝つことよりも負けないこと」を心掛けて下さい。
百戦錬磨の経験を持っていても百戦百勝はあり得ないし、仮にあったとしても未来永劫それが約束されるわけではありません。逆に慢心だけが積み重なっていきます。
だからこそ、商品選びは少なくとも最初は可能な限りリスクを低くしないといけないのです。
そしてある程度自分の資産運用に対して何らかの知識・自信がついて次の段階へ進み、結果大きな金額を手に入れられたのなら、今度は最初に戻ってここで書いたようなことをやって下さい。
利益が少なかったとしても、もう十分やっていけるだけのお金は既にあるのですから下手に大きな損失を被るよりもはるかにマシでしょう?どれだけ富を築いてもあの世には持っていけません。子孫に残したいという気持ちも分かりますが、それを子孫が望むかどうかは別としてそのためにハイリスクなことをして結果的に子孫に負債を背負わせたら本末転倒ですよね?
この記事で書いていることは、資産運用のどの段階でも常にあなたの頭に入れておいて欲しいです。そしてあなたが実際に資産運用をする時、ここで書いていることが役に立ってくれることを願っています。